須磨の源氏寺

今は暗渠になり道路ができ、その上を車が走る千守川
が流れていた傍に、源氏寺と呼びならわされている、
現光寺という浄土真宗のお寺が有ります。


この辺りは源氏物語の主人公、光源氏の館跡とされ、
通称の源氏寺の方がよく知られているようです。

ここは、『源氏物語』のモデルの一人といわれ、
969(安和2)年に起きた「安和の変」で失脚した左大臣
源高明卿ゆかりの土地だそうです。

『源氏物語』で(須磨の巻

おはすべき所は行平中納言(ゆきひらちゅうなごん)の
藻潮(もしほ)たれつつわびける家居(いえい)近き
わたりなりけり 

海面(うみづら)はやや入りて
            あはれにすごげなる山なかなり


(海岸から少し入り込んでいて、身にしみるほど寂しい山中
である)


と描写されたこの地に寺院が建てられたのは永正11年
(1514年)のこと。

浄教上人が開いたといわれ、御本尊には阿弥陀如来が祀られ
ています。

藩架(ませがき)山 現光寺

この付近は古代の須磨関があったといわれる場所で、それを
連想させる地名も残っていますが、それを裏付けるように
(明治元)年に境内の裏手から「川東左右関所跡」と刻まれた
標石が掘り出されています(この標石は、西にある関守稲荷
神社に安置されています)。

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『源氏物語』の話を偲んで現光寺には多くの俳人が
須磨の地へ足を運び名句を残しています。

「芭蕉」という俳号を使う前の「松尾桃青」時代の1678
(延宝6)年、「須磨・明石」を題とする句会で

   「見渡せば 眺むれば 見れば須磨の秋

という句を呼んでいた松尾芭蕉は、1688(貞亨5)年4月に須磨
を訪れ、境内の風月庵に宿を取っています。

ただ、須磨の秋の月の情景に憧れを抱いていた松尾芭蕉は、
時期外れの須磨訪問をしきりと悔やんだという話です。

この時芭蕉は、近くの須磨寺では悲運の若武者、敦盛を偲んで

  「須磨寺や 吹かぬ笛聞く 木下闇


 また、明治を代表する歌人である正岡子規も須磨を訪れて
様々な句を残しています。

日本新聞の記者をしていた正岡子規は、1895年に日清戦争
の取材を終えて帰国する船の中で持病の肺結核を悪化させて
吐血、和田岬にあった県立神戸病院に運び込まれて治療を
受けます。

ここで2ヶ月間の入院生活を送った正岡子規は、その後
風光明媚な須磨保養院(今の須磨浦病院)へと移って静養を
続け、須磨を題材にした句を多く残しました。

そのうちの一つ、

  「読みさして 月が出るなり 須磨の春

の句碑が現光寺の境内に建てられています。・・



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光源氏 月見の松
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 謡曲「須磨源氏」と現光寺

 謡曲「須磨源氏」は、日向国宮崎の社宮 藤原興範が、
伊勢参宮の途次、須磨の裏に立寄ると、老樵夫が桜の
木陰から現われ、光源氏の一代の略歴を物語り、自分は
その化身であることを仄めかす。

その夜旅枕の興範の前に菩薩となっている光源氏が
兜卒天より気高く優麗な姿で天下り、在りし日の須磨
のくらしを回想しつつ、青海波の舞を舞って夜明けと共に
消え失せるという典雅な曲である。

 須磨は古来、観月の名所として名高く平安時代の
王朝ロマンの主人公光源氏が、複雑なしがらみの中で
傷ついた心をなぐさめるのに格好の地だ、と今を去る
千年の昔に生きた紫式部も知っていたのでありましょう。

 源光寺、源氏寺とも呼ばれ、境内の老松に月のかかった
秋の夜など、殊更流離の源氏の君が藩架(ませがき)を
めぐらして侘び住まいしたところと語り継がれてきている。

                  謡曲史跡保存

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この記事へのコメント

  • tor

    光源氏、松尾芭蕉、正岡子規ゆかりの地ですか。
    行ってみたくなります。
    2019年03月03日 19:12
  • ポジティブオーラ

    torさん
    ありがとうございます。
    須磨の昔は辺鄙なところで、月や松
    を愛でる位しか楽しみがなかった
    様ですね!
    この辺りを訪れた有名人では、良寛・
    芭蕉・子規・尾崎放哉などが須磨寺に
    訪れています。
    色々調べると面白いですね!
    2019年03月03日 20:34

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