天の香久山と天岩戸神社・月の誕生石・天香久山神社




     春すぎて 夏来にけらし 白妙の 
    
                 衣ほすてふ 天の香具山

                       持統天皇


百人一首を通じて多くの人に知られている和歌ですが、天の香久山は大和三山の
一つとしても日本人の潜在意識に深く刻まれ、誰もが郷愁の様な懐かしさを呼覚ます
意識のもとになっているのではないか、という思いを持っています。


今回は、以前に歩きました、大和三山ハイキングの記事を元に、天の香久山を
中心に記事を書き直しました。


(写真はクリックで大きくなります)


藤原京(694~710)朱雀大路跡
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朱雀大路跡から藤原京の内裏方面を見る。 後ろに耳成山が望めます
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【天の香具山】
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【天の岩戸神社】

  この天の香具山の麓にあります天の岩戸神社は小さな磐座が御神体のように
  見えました

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 【天岩戸と七本竹の伝説】

 奈良盆地に美しい山容を見せる大和三山。畝傍山、耳成山、天香具山。中でも 
 天香具山は、もとは天にあって、それが降りてきたとの神話から、とくに神聖視
 されてきた。

 その天香具山の南麓、橿原市南浦に天岩戸神社がある。

 今回は、その神社に伝わる『古事記』でもおなじみのお話。
                 *
 昔、天照大神という、天を照らす姉神さまと、須佐之男命という乱暴な弟神さま
 がおられた。

 天照は、乱暴な弟が怖くなり、天の岩戸に隠れてしまった。

 そのため、太陽は昇らず、暗闇の毎日が続いた。

 困った八百万の神々が集まり、天照になんとか岩戸から出てきていただこうと
 相談した。

 「そうだ、踊りの上手な天宇受売命に頼もうではないか」
 いよいよその日。天宇受売は天香具山のひかげの蔓を襷にかけ、まさきの葛を髪に飾り、
 天香具山の笹の葉を持ち、桶を伏せてそれを踏み鳴らしながら神がかりして踊った。
 その踊りがあまりに楽し気であったため、見ていた神々は「ゆかい、ゆかい」と手を
 たたき大いに笑った。
 天照は、不思議に思った。「いったい、何が起こっているのか」。
 天照は、岩戸を少し開け、外をのぞいた。と、その瞬間、力自慢の手力男命が岩戸を
 開け、天照を外へ連れ出した。それからは、もとの明るい世になったという。
                 *
 このお話には続きがある。天宇受売が踊った時、手に持っていた笹は「七本竹」と
 呼ばれるようになり、毎年七本生え、七本枯れるという伝承をもつ。

 今、天岩戸神社の一帯は、天を衝くような背の高い竹に鬱蒼と覆われ、空の色も

 見えないほど。竹の葉ずれの音だけが、薄暗い静寂の中にさわさわと聞こえてくる。


【天香久山山頂付近】

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古来から神聖な山、霊力・呪力ある山として畏れ敬われてきた天香久山ですが、
大和三山のうち、この山のみに“天”を冠して呼ぶのは、

 「天山  天山と名付けるわけは、倭(ヤマト)に天加具山がある。
天から天降ったとき、二つに分かれて、片端は倭の国に天降り、片端はこの土地に
天降った。故に天山という」 (伊予の国風土記逸文)

とあるように、天上にあった山が天降ってきたとの伝承によるという。


【天香久山 山頂の国常立神社】

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 祭神は国常立命(国土形成の神) 俗に雨の竜王と称され、境内社として
 高龗神(竜王神)を祭る
 向かって右側の神殿前に壺が埋められており、古来干天の時、この神に雨乞いし
 水をかえたが、まだ降雨のない節は、この社の灯明の火で松明を作り、村中を
 火振りして歩いたという。
 末社に伊弉諾神社、伊弉冊神社があり、天香久山の東山麓に鎮座する
                            (橿原市)



 山頂で休憩しお昼を食べましたが、登ってこられた人は、ご老人夫婦と
 二人の子供さんを連れた地元の若い奥さんだけでした!


 この後、”月の誕生石”という、何とも蠱惑的なネーミングに引かれ、少し
 コースを外れていましたが見に行きました!

途中の石仏

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【月の誕生石】

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 月の誕生石
花崗岩で高さ1、5米幅は6、5米、奥行は3、5米あり円形黒色の斑点は
月が使った産湯の跡と、小さな斑点は月の足跡と伝えられ古代より信仰する
人多し


民話より
昔、ひとかかえ程の丸味あるとても綺麗な石でした。次第に大きく成り
人肌の様な温もりを残し、夕焼空を染め上げたように輝いて居りました。
又不思議お腹の辺りに白い帯の様なものが浮き出てきました。
尚不思議お腹が突き出てとても苦しそうに見えました。
「お母さんの腹帯そっくりだ」「石が赤ちゃんを生むんだ!」 子供達は
赤ちゃん誕生を心待ちにして居りました。
そんな或晩のこと、山の方で赤ちゃんの泣く声を聞いたような気がして、
「あっ! 石の赤ちゃんが生まれたんだ!」 子供達は外へ飛び出しますと
香具山の頂から真ん丸いお月様が顔を出しました。
翌日山へ見に行くと石がしょんぼりと横たわり胸の辺りに赤ちゃんの足跡が
影のように残って居りました。


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【蛇つなぎ石】
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【天香具山神社(天香山坐櫛眞命神社)】

 香久山の北麓に鎮座。

 正式名称は天香山坐櫛真智命神社
   あまのかぐやまにいますくしまちのみことじんじゃ

 といいます。

 御祭神; 櫛真神 (元名・大麻等地神)

  櫛は希(不思議)真は兆(占い)の古語だそうです
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本殿の背後に三つの扉風のような巨石があるそうです
 古代の祭祀形態の磐座で、当社の神の依代であったとみられます

 境内に占の木「にわさくら」(波波迦の木)があります
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 『古事記』の天の岩戸神話に、天香久山の雄鹿の肩の骨抜き取って、
 天香久山の朱桜(古名:ハハカ)の木の皮で焼き吉凶を占ったと記されて
 います。



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この記事へのコメント

  • tor

    百人一首の中でも知名度抜群ですね。
    その天香久山
    初めて見る事ができました。
    さすがというか
    神話の世界だけでなく
    不思議な世界ですね。
    お月さまはここから生まれたのですね。
    そんな気がするような場所ですね。
    2020年05月19日 19:51
  • ポジティブオーラ

    torさん
     いつもありがとうございます。
     天香久山は知らない人が無いくらいに
     よく知られたところですが、標高は150M
     ほどの低山です。
     山の麓に、天岩戸神社、天香久山神社が
     あり、山頂に国常立神社があります。
     月の誕生石へ行かれる人は少ないかも
     知れません。
     古い歴史というか、古代人の思いが沢山
     込められた風土が感じられるところです。
     ありがとうございました。
    2020年05月19日 20:19
  • yoppy702

    大和三山は、バスツアーで、二回(どちらも1月)、個人で、コスモスのシーズンに一回行きました。
    天香久山神社は、ツアーの時に、天岩戸神社は、個人の時に行きました。
    「天」を冠するのは香具山だけ…そうですよね。
    それだけ、この山が特別なんですね。
    「月の誕生石」、見なかったです。
    今度、行く事があったら見てきます。(^^ゞ
    「岩戸隠れ」の話を知ったのは、ボクが小学生の時です。
    何で知ったのかと言うと…
    東映のアニメで「わんぱく王子の大蛇退治」というのがあって、その中であったんです。(^^ゞ
    「わんぱく王子」というのは、勿論、天照大神様の弟、スサノオノミコトです。(^^)
    2020年05月20日 00:30
  • ポジティブオーラ

    yoppy702さん
     いつもありがとうございます。
     関西人にはなじみのある大和三山ですが、
     登る人は少ないかも知れないですね。
     バスツアーもあるのですね。1月なら
     寒かったと思います。
     天岩戸神社にしても天香久山神社にしても
     参拝者は少ないようですが、古代人の 
     思いが沢山詰まっているようなところ
     ですね!
     アニメは知りませんでしたが、わんぱく王子
     なのですね!
     ありがとうございました。
    2020年05月20日 08:15
  • トトパパ

    こんにちは

    藤原京、なんもないですよね。。。
    でも桜と菜の花が綺麗ですね。
    奈良の天の岩戸もいったことあります!
    そうそう、竹ですね。
    2020年05月20日 09:19
  • ポジティブオーラ

    トトパパさん
     いつもありがとうございます。
     関西人にはなじみの大和三山ですが、
     藤原京にも行った人は多くないと思います。
     何もないだけに、吹き渡る風に思いを巡らす
     のも楽しいですね。
     天岩戸も特に何もないのですが、竹に伝説
     があるようです。
     機動力のあるバイクなら、どこでも行ける
     のが良いですね!
     ありがとうございました。
    2020年05月20日 13:27
  • yasuhiko

    大学生の頃、夏休みの終りに
    奈良・飛鳥を旅して、不思議な石造物などを
    見て回った後で、天香具山に登りました。
    若かったから頑張れたようなものの、ものすごく
    暑かったなぁというのが印象に残ってます。
    でも、そうやって汗を流して歩き回ると、
    万葉の世界が身近に感じられるようになりますね。
    持統天皇の歌もですが、その時は、畝傍山を
    めぐって、香具山と耳成山が恋の争いを
    繰り広げるという歌の世界を心に思い描いてました。
    2020年05月20日 15:16
  • てくてく

    天の香久山、低山ですけど、山頂に國常立神社さんなどあり、歴史を秘めた山ですね。
    山麓の、天岩戸神社・天香具山神社さんも、古代の雰囲気のある神社さんですね。
    月の誕生石・蛇つなぎ石などあり、大和・飛鳥は、古代歴史の宝庫ですね。
    2020年05月20日 17:21
  • ポジティブオーラ

    yasuhikoさん
     いつもありがとうございます。
     良い思い出ですね。
     奈良はあまり大きな変化もなく、良い意味で
     昔懐かしい風景が残っていますね。
     大和三山に囲まれた藤原京を中心にした
     地域は万葉の世界が身近に感じられ、
     明日香・斑鳩とともに日本人の郷愁の
     原点のように思われるところですね。
     ありがとうございました。
    2020年05月20日 17:52
  • ポジティブオーラ

    てくてくさん
     いつもありがとうございます。
     てくてくさんの言われるように、古代から
     余り変わっていない雰囲気を残している
     ところです。いつまでも開発から守って欲しい
     ですね。
     飛鳥・斑鳩・藤原京辺りは古代の香りが
     今も残っているようで郷愁がそそられるところ
     です。
     ありがとうございました。
    2020年05月20日 17:59
  • y&m

    ここ数年、桜、菜の花、蓮、コスモスと藤原京跡を
    訪れる機会が増えました。大和三山、近くまで行く
    事が多いです。天の香具山にも天岩戸があるんですね。
    これ知りませんでした。謎の巨石があちこちに散在
    している所ですが、ここのご神体?も巨石ですね。
    皆、古墳の石室跡というのは簡単ですが、やはり奈良
    特有のロマンを感じます。大和三山、京都とは又、味違う
    魅力的な場所ですね。(^^♪
    2020年05月22日 11:50
  • ポジティブオーラ

    y&mさん
     いつもありがとうございます。
     飛鳥や大和三山な辺りは、幸か不幸か
     都市化を免れ、まだまだ古代ロマンの面影が
     残っているようなところですね。
     飛鳥のレンゲ、藤原京の桜・菜の花など
     季節ごとの花が楽しめます。
     天香久山も不思議なところです。
     月の誕生石など、この時まで知りませんでした。
     ありがとうございました。
    2020年05月22日 14:29
  • ミクミティ

    天の香久山、やはり神秘的であり、名前の響きもいいですよね。写真ではよく見ますが、実際に訪れたことは無いので参考になりました。
    そこにも、天岩戸の伝説がありましたか。それよりも、月の誕生石なんてあるのが驚きました。こういった巨石が信仰のシンボルや祭場として使われたのだろうと想像します。
    古代ロマンあふれる登山だったのですね。
    2020年05月24日 00:02
  • ポジティブオーラ

    ミクミティさん
     いつもありがとうございます。
     ”天の香久山”と言う言葉の響きは、昭和世代
     にはロマンが感じられるように思います。
     古代人には高天の原として映っていたようです。 
     月の誕生石もロマンがありますが、あまり
     知られていないように思いました。
     ありがとうございました。
    2020年05月24日 06:39
  • トンキチ

    香久山には3年ほど前に、畝傍山、耳成山と大和三山のセットで歩きましたので懐かしいです。
    初日、大和三山などを歩き、橿原市内に泊。翌日、飛鳥寺など明日香村の古寺数箇所や石舞台、高松塚古墳などを見て歩きました。
    香久山では、山頂にある國常立神社は記憶していますが、月の誕生石など記憶がありませんので、見ていないのだと思います。
    それに、天の岩戸神社や天の香久山神社も覚えがなく、お詣りしていません。
    香久山は二番目でしたが、耳成山に急ぐあまりゆっくりできなかったのでしょう。
    歴史探訪と言うより、歩きの方がメインだったからだと思います。
    もし今度行くなら、神社にもお詣りします。
    天岩戸神話は、国内随所に存在するのですね。
    イメージ的には高千穂かと思っていましたか、伊勢や大和地方にもあり、分からなくなりました。
    2020年05月24日 20:11
  • ポジティブオーラ

    トンキチさん
     いつもありがとうございます。
     橿原市内に泊まり、飛鳥などを散策された
     のですね! 泊りを入れると十分に楽しめ
     ますね。
     私も飛鳥近辺は何度か歩いていますが、一度も
     泊まったことがないのが残念です。
     天の香久山も麓に天岩戸神社や天香久山神社、
     中腹に月の誕生石などが見られます。
     天岩戸は日本人のロマンを刺激するようで、
     あちこちで自称天岩戸がありますね!
     ありがとうございました。
    2020年05月24日 20:46